「Земляника」翻訳
О́льга Зару́бинаによる歌Земляни́каは、ぼくが中学の頃にニコ動でソ連国営テレビのオープニングを聞いていたら出会った曲です。曲調が日本の歌謡曲っぽくてとても耳に残ったのでずっと覚えていて、今でも時々口ずさ……めればよかったのですが、サビが微妙に難しくてうまく歌えません。最近食卓でロシア文化の話題が上がったときに親に布教をしたらうまくはまってくれたので、歌詞の紹介をしようと思ったのですが、ちょっと探した限りでは邦訳がなかったので、自分ですることにしました。
ぼくのロシア語力はほとんど皆無に近く、代名詞の曲用すらそらで覚えてはいません。ですから下記の翻訳は機械翻訳にも足らぬ程度の信頼性しかありませんのでご容赦ください。取り敢えずフレーズごとに、ぼくが知らない単語に対してグロスを施し、試訳を附します。言語学のブログではないので接辞の分析はせずに、全て屈折として扱っています。青い単語は他にウィクショナリーで出てきた語構成をalt属性に書いておきました。
Разгора́ется в луга́х ле́то кра́сное. Ты напра́сно говори́шь, что мы ра́зные. Разлете́лись по цвета́м кра́ски ра́дуги. Мы с тобо́ю – по любви́, мы – по я́годы.
赤い夏は牧草地で燃え上がっている。君は意味もなく言う、私たちは違うと。私たちは虹色の花の上を飛び去る。私と君は愛のせいで、私たちはベリーのために。
К но́чи, я́годами звёзд, даль усе́ется, Но домо́й не торопи́сь, знай, успеется. Мы с тобо́ю – по любви́, де́ло я́сное. Не лука́вь, не говори́, что мы ра́зные.
夜までには星々のベリーで空は満ちるだろう、家へと急ぐな、君は知っているでしょう、辿り着けるだろうと。私と君は愛のせいで、明るい物事だ、ずるはしないで、私たちが違うだなんて言わないで。
Земляни́ка, земляни́ка, На́шу жа́жду утоли́! То́лько сла́ще земляни́ки. Губы не́жные твои́. Ви́дно , со́лнце оброни́ло Поцелу́йный луч в траву́. Что́бы ма́ма не брани́ла, Я чего́-нибудь совру́.
いちご、いちご、私たちの渇きを癒しきれ!しかしいちごより甘い君の柔らかな唇。太陽は明るく口づけの光線を草地に落とす。ママに叱られないようにどんな嘘でも吐くつもり。
Разгора́ется в луга́х ле́то кра́сное. Ты опя́ть мне говори́шь, что мы ра́зные. Ви́дишь, к я́годке одно́й вме́сте тя́немся? Это зна́чит, мы с тобо́й – не расста́немся.
赤い夏は牧草地で燃え上がっている。君は再び私に言う、私たちは違うと。見て、一緒にベリーひとつに手を伸ばして。それは私たちがこれから別れずにいるという意味だ。
以上です。グロスってどうマークアップすればいいんでしょうね。ツイッターで良さそうなライブラリを教えていただいたのですが、どうにもうまく動かなくて面倒くさくなってきたので、取り敢えずルビにしてしまいました。Firefoxではルビの左揃えができるのですが、他のブラウザでは対応していないそうなので、グロスが中央揃えになっていて奇妙なことだと思います。個人ブログなので許してね。さて、せっかく訳したら歌いたくなるので、ついでに音節の数を合わせて日本語歌詞を書いてみました。ぼくは外国語を口語に訳すのが苦手なので文語にします、口語の翻訳口調って気恥ずかしいし。もしもっといい訳を思いついたら教えてね。
野原に燃ゆる赤き夏、あやなくつらき君が声、あやなす花をながめ舞ひ野いちご索め君に具す。
夜空に満ちむ星いちご、つれなく家路はな急ぎそ、思ひ燃やせば闇はいづこ、かく頼めるは我のみかは。
野いちごよ、野いちごよ、渇きを癒せ、いちごより甘き君がくちびる。
あかき日降り注ぐ口づけ誘ひて、親の目は忍びなむ託言はまうけり。
野原に燃ゆる赤き夏、今なほつらき君が声、いちご一つに手を伸べば我らは永遠に別れじを。