成果物
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originel, 16 décembre 2023
自分を表現した成果物を眺めているのは幸せだ。ひとは常に移り変わっていく輪郭の不安定な自分というものに頼りなさを感じていて、それゆえに自分を対象としてはっきりと認識できることに安心感を抱くのかもしれない。それは、だれかに触れることによって、同時に自分の柔らかさを知るときの安らぎに似ているかもしれない。世界を対象に自分を表現するとき、そこには自分と世界しかいなくて、世界はぼんやりと抽象的で、まるで自分みたいだ。ぴったりとくっついて触れ合っている二つのものは輪郭を共有している。世界が生命のあたたかさとやらわかさを湛え、ひとは自身の表面に冷風が吹きすさぶ孤独から解放される。